それはきっと、偶然の出会いだった。
必然かもしれないが、少なくとも、彼ら自身は偶然だと思っていた。
折原浩平、氷上シュン。
――幼いころに『えいえん』を求めた二人。
月宮あゆ。
――眠り続ける少女。
神尾観鈴。
――傷つきながら、それでも進むことをやめなかった少女。
共通点はなにもない。
あるとすれば、たったひとつだけ。
今、この世界に在るということ。
たったそれだけのちっぽけな繋がりが…
〜永遠を捨てて〜
全員が無言だった。
理由は簡単。
戸惑っていたから。
誰も思っていなかったのだ。
望んではいたが、叶わないとしか思っていなかった。
誰かと会うということを。
「えーと…」
沈黙を破ったのは観鈴だった。
「とりあえず、自己紹介でもしよっか」
「…は?」
そんな観鈴の提案に、素っ頓狂な声を上げる浩平。
「それ、いいね」
賛成するあゆ。
「僕もかまわないよ」
シュンも続く。
「…のんきなことを」
うめく浩平。
「わたしは、神尾観鈴」
「ボクは月宮あゆ」
「僕は氷上シュン」
「…俺は折原浩平だ」
これで自己紹介は終わり。
趣味だとかはまでは言わなかった。
必要がなかったから。
「…僕から説明したほうがいいのかな?」
「そうだな、お前が一番詳しいだろうし…」
シュンと浩平が話し合う。
「それじゃあ、簡単に説明するよ」
シュンが切り出す。
「この世界のことを」
ゆっくりと語りだした。
――観鈴とあゆが、どうしてこの世界にたどり着いたのかはわからない。
けれど、原因が何なのかはもう意味を成さないことだ。
帰る方法はある。
しかし、それは自力ではない。――
そこまで言ってから、少し考え込む。
「どうしたの?」
不安げに問うあゆ。
「いや…、僕達の時に当てはまればみんな帰れるけど…」
言葉を濁す。
「帰りたいと思う?」
「どういうこと?」
聞き返すあゆ。
「この世界は、望めば何でも叶うんだ。そして、『永遠』がある」
それでも帰りたい? とシュンは問う。
「ここは、誰もがずっと幸せでいられる場所だ。それを捨ててまで帰りたいか?」
浩平も言う。
「うん」
観鈴とあゆは頷いた。
「望んだことが叶うとしても、ここは寂しすぎるから」
観鈴が言う。
「誰かが何かを言ったとしても、それは自分が望んでいたことだから…。そんなの、ただの人形遊びと一緒だよ」
続けてあゆが言う。
その二人の言葉に、
「ははは…」
浩平はただ笑っていた。
「…おかしいかな?」
「いや、その通りだと思うぞ」
あゆの問いに答える浩平。
「どうすれば帰れるの?」
シュンに問う観鈴。
「信じるんだ」
大好きな人が、大切な人が待っているのだと。
それは繋がりだから。
約束や絆が、もとの世界への道標となるはずから。
それを、ただ信じる。
その後、みんなは別れた。
それぞれの道を歩いていった。
――再会を『約束』して。