参加メンバーは5人。
俺と眞子、萌先輩に杉並、そして音夢や朝倉と仲がいい美春という後輩。
これに朝倉と音夢を合わせた7人でお泊り会をやることになった。
そして、日曜日。
朝倉家に、メンバーが揃った。
〜波乱のお泊り会〜
〜集合・調理編〜
「今日と言う日に相応しい天候だな」
突然杉並がそんなことを言う。
「……どこがだよ」
吐き出すように、朝倉が言う。
「見事な土砂降りですね……」
間延びした声で萌先輩がつぶやく。
俺は、そんなみんなの様子を眺めていた。
「……ん、どうしたんだ透也」
「いや、意外と揃ったなと思ってな」
子供だけのお泊り会なんて、普通親は止めるだろ。
そんなことを口にすると、
「美春は、お仕事で忙しいから構わないって言われました」
「……なるほど。1人にしておくよりは安全ってことか」
納得する。
「あたしも似たようなものよ。お姉ちゃんは違うけど」
「は?」
姉妹で理由が違うのはおかしいだろう。
「なるほど」
音夢はわかった様に頷く。
「つまり、公認ってことね」
その一言でピンときた。
「ああ、そういうことか」
当人たちはわかっていないようだったが、気にしないことにした。
「にしても、なにする?」
まだ3時過ぎたぐらいで、夕食を作り始めるのにも早い。
「とりあえず、これやるか」
出てきたのは、何の変哲もないトランプだった。
トランプのほかにも、さまざまなボードゲームやテレビゲームをしたりした。
そうして暇をつぶして、いよいよ夕食を作ろうかという雰囲気になった。
「じゃあ、誰が作るの?」
朝倉あたりが真っ先に女性陣と言うかと思ったが、
「とりあえず音夢は論外。眞子もそんなに上手くはないだろから駄目だな」
「「なんですって〜!」」
二人の声がハモった。
「とりあえず、美春と萌は確定だな」
朝倉は無視して続ける。
「任せて下さい!」
「わかりました」
同意する2人。
「あとは、手伝いに1人くらいいればいいだろ」
「なら、俺がやるよ」
1人暮らしをしているから、一通りは出来る。
「おう。んじゃ、任せたぞ」
気楽な朝倉の声を背に受けながら、台所へ移動した。
メニューはカレーに決まった。
「ま、無難だな」
ありきたりだが、7人もいれば量あるものの方がいい。
「それじゃあ、始めましょうか」
美春の声で、調理を始めた。
「わたしはサラダを作りますね」
萌先輩は冷蔵庫から野菜をいくつか取り出した。
「なら、美春がカレー作りですか」
「そうなるな。ま、俺も手が空いてたら手伝うから」
「手が空いてたらって、先輩はなに作るんですか?」
「デザート」
「では、ぜひこれを使ってください!」
どこからかバナナを取り出す。
「ああ……」
美春の気迫にたじろぎながら頷いた。
「さて」
美春も調理を始めた。
「俺もやるか」
大量のバナナを目の前に、こっそりとため息をついた。