(19/02/13)

 投資法:その4

 一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学  Cis 著 (2018年12月21日発売)  角川書店








 今年40歳になる個人投資家Cis(シス)さんは、約20年の投資で1.000万円足らずの元手から230億円を稼いだそうです。 株式投資、FX、ビットコイン、リート、不動産などを幅広く行っていますが、メインは株の短期トレードのようです。 この本は昨年末に発売されたばかりで、今も書店の目立つところに並んでいます。



 ①Cisさんはオーソドックスな順張りが基本です。 ロスカットは素早く、利益はできるだけ伸ばす。押し目買いはしない、ナンピンは論外。 これらは短期トレードで勝っている投資家の多くが採用しているやり方で特に目新しいところはありません。 勝ち数よりも負け数が多く、しかしトータルで勝つ傾向も他の勝っている投資家と同じです。

 Cisさんは「ロスカットした株が再度上り始めた時、それを買えるか?」と問うています。 つかり、ロスカットで自分の過ちを認め、それが上がりだしたころでロスカットの過ちをさらに認めることができるか?と問うています。 上がっている株は上がり続け下がっている株は下がり続ける可能性が高いからだそうです。

(青字:コメント)

 ロスカット後もういちど買い直す際に、私はロスカットした株価以下で買うことにこだわりを持ってしまします。 ロスカットが正しかったことを承認したいのです。 同じ承認の意識が利益確定の時も働き、確定した株価以上で買うことをためらってしまいます。 上がり続ける株がさらに上に動こうとしている場面では、過去に自分がどう行動したか考えてはいけないのです。




 ②「仮説」を考えることが大切だと主張しています。それも、まだほとんど世に知られていないような仮説です。 相場環境が日々変化していくのでまだ知られていない仮説はたくさんある、とCisさんは書いています。

 例えば、以前に起こったジェイコム事件です。証券会社が1株61万円売りと入力すべきところ、61万株1円売りと入力した事件です。 Cisさんは、証券会社のシステムでは発行株数を上回る株数を入力できることを知っていたので即座に「誤発注」と気が付いたそうです。 それから数十秒後に買いを入れて、結果的にジェイコムだけで6億円儲けたそうです。

 仮説と言えば、いま進行中のサンバイオショックです。 私はこのリスキーなマネゲに参加しようと考えていました。 その時は5日ぶりに寄ったあと少し下げてからかなり戻るという仮説をもっていました。 そして買いを入れていましたが、おしくも14円差で約定せず、上値追いをしなかったので大きなチャンスを逃してしまいました。 そういうチャンスはこれからもあるでしょう。



 ③Cisさんはビデオゲーム、スマホゲーム、麻雀、パチンコ、スロット、カジノ等、ゲームやギャンブル事でも一流の結果を出す人のようです。 ローティーンの頃から(違法ですが)パチンコなどで実績を上げ(それでも中学では成績が学年で一番だったようです。 頭がいいのですね。)高校生の頃は友人に代打ちを依頼するような「元締め」的存在だったようです。

 このようなギャンブルで成功するためにはルールや環境を深く理解し、加えて素早く行動をすることだそうです。 一番大切なのは「勝負するか」「降りるか」「やらないか」の素早い判断だそうです。 Cisさんにとって株式投資とは「大儲けできるギャンブル」のようです。

 この辺はよくわからないことも多いです。 私はビデオゲーム、スマホゲームはまったくやりません。儲からないからです。 麻雀は時間の浪費を恐れわざと覚えませんでした。今もたまに誘われますが断っています。 パチンコ、スロットは少しやったのですが、儲かるまでにスキルが達しなかったので2~3年でやめました。

 しかし、このようなゲームやギャンブルに強くなるためには、 ルールや環境を深く理解して行動し、その結果をチェックして知識や計画を修正して再度行動する…、を何度も繰り返すことです。 それは限りなく「仕事」に近いと思います。仕事のと違いは、上司のチェックが入るかどうかだけです。 あるいは上司のチェックがない個人事業主の仕事でしょうか。

 私だけの偏見かもしれませんが、ゲームやギャンブルはたいして儲からない仕事にすぎないように思えます。 だったら、たいして面白くなくてとも給与やボーナスがもらえる仕事に力を入れた方が合理的に思えます。 しかし、唯一株式投資だけは給与やボーナス以上に儲かる可能性のあるギャンブルで、 私がここに光明を見出したのもまさにその理由からです。

 


 ④勝つためには行動を起こす速さが求められる、とCisさんは書いています。 ここで言う「速さ」とは秒単位の速さです。 先ほどのジャイコム事件に戻りますが、誤発注を知ってからすぐに行動を起こした人はその後も儲かっているし、 そうではなかった人はいつの間にか消えていると言います。

 また、ここで言う「速さ」とは闇雲になんでも速く行動するのではないのです。 事前に多くの仮説をもっていて、場中にそのうちの一つが実現しそうなら「そら来た!」とばかりにその仮説を素速く実行に移すことなのです。 そのようなことに繰り返しによって230億円もの利益を得たと言います。

 「仮説」と「速さ」…、これがCisさんの本のエッセンスではないかと思います。 事前に多くの仮説(※「予想」とは異なると思います)を持つことは真似するべきだと思います。

 






 ※以上は個人的な見解です。株の売買は自己責任で行うようお願いします。







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