(18/01/03)

 2017年に上がった株・2018年に向けて -- 「傾向と対策」



 下↓は、2017年の年初から年末までの値上がり率トップ50です。 この期間でテンバーガーに大化けしたのは北の達人(2930)の1銘柄のみ、約11.5倍でした。 また5倍以上になったのは大木ヘルス(3417)までの15銘柄でした。 値上がり率50位のシンクロ(3963)は約3.3倍の値上がりでした。

 50銘柄はすべて小型株で、N225採用銘柄は1つもありません。 また、建設、食品、繊維、鉄鋼、自動車、精密、銀行、証券、陸運・海運・空運、電力・ガスは、 大型株、小型株を含めてこの50銘柄には1つも入っていません。



 それでは具体的に、どんな株が上がったのでしょうか?
2017年に話題になったのはなんと言っても電気自動車(EV)です。 市場規模が莫大に大きいのに加え、近い将来のワールドワイドでのEV化が確実だからです。

 しかし、意外なことにEV関連は18位のSEMTEC(6626)が最高、 その他にオハラ(5218)がランキングされているのみです。 EVを製造している銘柄は1つもありません。 話題の大きさ、可能性の大きさの割には大化けした銘柄が少ないと感じます。



 また量子コンピュータ(Q)も話題になりました。 しかし、この分野では34位のNF回路(6864)のみですが、 この銘柄は将来量子コンピュータの中核になるとは言い難く、 本命はこれから現れると思います。

 自動運転やブロックチェーン、EC、AI、ビットコインなどを広く含む情報通信(IT)は、 18位のリミックス(3825)他、下位の方に3銘柄がランクインしました。 このセクタも話題の割にはランクイン数が少ないと感じます。

 2017年はスーパーサイクルに入ったと言われ躍進著しい半導体(Semi)ですが、 設備投資関連の中村超硬(6166)の14位が最高、他に2銘柄のみです。 上がったのは周辺銘柄が中心で半導体を製造している銘柄は1つもありません。

 また、ゲーム(Game)は5位のサイステップ(3810)のみです。 大化けの定番バイオテクノロジー(Bio)はラクオリア(4579)が10位、 他1銘柄です。 以上テクノロジー系のランクインは合わせて13銘柄、まだ37銘柄残っています。





1.1057% 北の達人(2930) 
2. 757% アイケイ(2722)  
3. 742% ペッパー(3053)  
4. 643% 大興電子(8023)  
5. 562% サイステップ(3810)Game 
6. 545% 五洋インテ(7519) 
7. 534% DMP(3652)    IPO
8. 511% グレイス(6541)  
9. 503% ヤマシン―F(6240)
10. 493% ラクオリア(4579) Bio
11. 475% ジンズメイト(7448)Rizap
12. 464% 夢展望(3185)   Rizap
13. 439% 石川製(6208)   Military
14. 410% 中村超硬(6166)  Semi
15. 404% 大木ヘルス(3417) 

16. 365% 杉村倉(9307)   
17. 357% SEMTEC(6626)EV
18. 350% リミックス(3825) IT
19. 338% 串カツ田中(3547) 
20. 338% ケアサービス(2425)HCare
21. 328% 児玉化(4222)   
22. 328% ムトー精工(7927) 
23. 321% アミタHD(2195) 
24. 320% イソライト(5358) 
25. 313% オハラ(5218)   EV
26. 308% フライングG(3317)
27. 302% nms(2162)   HumanR
28. 301% 野村マイクロ(6254)Semi
29. 292% 21LADY(3346)
30. 292% マルマエ(6264)  Semi
31. 290% シンメンテ(6086) 
32. 288% ベイカレント(6532)
33. 282% 前田製作(6281)  
34. 280% NF回路(6864)  Q
35. 279% DDHD(3037)  IPO
36. 274% ASJ(2351)   
37. 270% ビーロット(3452) RealE
38. 269% 東海カ(5301)   
39. 262% アズジェント(4288)IT
40. 252% ビリングシス(3623)IT
41. 251% ツノダ(7308)   
42. 250% ミズホメディ(4595)Bio
43. 245% 細火工(4274)   Military
44. 243% 東洋ドライ(4976) 
45. 241% 明豊エンタ(8927) RealE
46. 240% UT(2146)    HumanR
47. 239% 石井表記(6336)  
48. 239% ミタチ産業(3321) 
49. 239% 丸順(3422)    
50. 235% シンクロ(3963)  IT





 2017年は人手不足によって働き方改革(HumanR)が話題になりましたが、 このセクタは27位のnms(2162)と、もう1銘柄がランキングされています。 次々と株価が上がったライザップ関連(Rizap)も2銘柄ランキングされています。

 不動産関連(RealE)は好業績が著しく万年低PERの銘柄も多かったのですが、 下位に2銘柄ランキングされています。 その他では、防衛関連(Military)とIPOがそれぞれ2銘柄、 ヘルスケア(HCare)が1銘柄入っています。

 ここまで計24銘柄、まだ半分以上の26銘柄がまだ残っています。 特筆するべきは、残りの26銘柄はいわゆる材料株ではなく注目度は高くありませんでした。 2018年の株式市場で勝つための大きなヒントがここに隠されているのでしょう。



 それでは、1位~15位までをさらに詳しく見てみます。

 1位の北の達人(2930)は小売りですが、通販でヒット商品が出たようです。 売り上げは急速に伸びていますが、利益には今だに大きく伸びていないので高PER、高PBRです。 1年前の四季報を見てもこの銘柄を買おうという気持ちは起こりません。1年前の時価総額55.6億円。

 2位のアイケイ(2722)も小売りですが、ここはランキングを見るまでは知りませんでした。 ここも高PER、高PBRまで買われています。 しかし、1年前の四季報では予想PER5.9倍で、 なぜこんなに安いのだろうと思っても後の祭りです。 1年前の時価総額19.5億円。

 3位のペッパー(3053)はステーキ店、四季報では卸売に分類されています。 ここも高PER、高PBRまで買われています。 売上は急速に伸びていますが、 1年前の四季報を見てこの銘柄を買おうという気持ちは起こりません。 1年前の時価総額122.8億円。

 4位の大興電子(8023)は富士通系商社(卸売)、ここもランキングを見るまでは知りませんでした。 ここも高PER、高PBRまで買われています。 しかし、1年前の四季報では予想PER5.0倍で安いようですが、当時商社はみなこのような数字で特に買いたい銘柄にはならないでしょう。 売上も伸びておらず、なぜ上がったのか四季報を見るがぎりでは不明です。 1年前の時価総額22.2億円。

 5位のサイステップ(3810)ですが、私は個人的には今も昔もまったくゲームをしません。 分からないものは評価できないので、残念ながらゲーム株は見るだけにしています。 1年前の時価総額23.2億円。



 6位の五洋インテ(7519)はカーテンなどのインテリアを扱う小売です。 ここは赤字が続いていて、昨年の年初時点では黒字転換が見えたため急騰しかした。 しかし、売上はあまり伸びず赤字も脱出おらず、なぜ上がったのか四季報を見るがぎりでは不明です。 1年前の時価総額20.2億円。

 7位のDMP(3652)は最近上場された銘柄です。 上場されて数か月は株価の居所を探る動きで右往左往するイメージがあり、IPOは避けています。 しかし、このイメージは好ましくない先入観かも知れません。 初値時価総額66.8億円。

 8位のグレイス(6541)はマニュアルの作成を主としたサービスです。 マザーズに1年前に上場したばかり、ここもランキングを見るまでは知りませんでした。 売上げは急速に伸びていますが、 業種や利益の伸び方からはPBR45倍まで買われる理由がわかりません。 1年前の時価総額57.6億円。

 9位のヤマシン―F(6240)は機械株なので正確にはノーマークとは言えません。 建機や資源採掘機械など大型油圧回路に用いるフィルタを製造していて、 技術的な優位性があるといわれています。 昨年は上方修正が相次ぎましたが、ここまで伸びるとは思わず、乗り損ねました。 1年前の時価総額113.7億円。

 10位のラクオリア(4579)もバイオ株の中でも大きく上がりました。 売上は伸びていますが未だ赤字を抜け出していません。 業績からは買われる理由がわかりませんが、おそらく大材料があるのでしょう。 1年前の時価総額80.3億円。



 11位のジンズメイト(7448)、 12位の夢展望(3185)は共に、Rizapが支援していることで大きく上がった小売株です。 Rizapはシナジーが見込める不振企業を買収しているようで、 私も以前マルコ(9980)を急騰直前で手放しで後悔しています。 Rizapには乗るべきでした。 1年前の時価総額30.4億円、および25.1億円。

 13位の石川製(6208)は急騰前に防衛関連として検討したのですが、700円台でも高いと思ってやめた経緯があります。 その後株価は、北朝鮮が暴れるたびに上値を切り上げていきました。 それでもここは乗れないと判断したのですから、後悔はありません。 1年前の時価総額42.1億円。

 14位の中村超硬(6166)は半導体ウエハの切断ワイヤなどを製造しています。 2017年3月期は大赤字、2018年3月期は大幅黒字、またバイオにも進出するなど余断を許さない業態です。 よほど会社のこと知っているか、あるいは幸運を期待する以外はなさそうです。 1年前の時価総額58.1億円。

 15位の大木ヘルス(3417)は、大衆薬や健康食品を扱う卸売です。 売上はさほど伸びていませんが利益が伸びが昨年から著しいものがあります。 ここもずっと見てはいたのですが、 こんなにも伸びるとは思わず、乗り損ねました。 1年前の時価総額73.2億円。





 さて、これら値上がり上位15銘柄のうちRizap2銘柄を含む小売が5、卸売(商社)が3、サービスが1の構成です。 この合わせて9銘柄は私が普段注視していないいわばノーマークセクタで、 名前さえも知らなかった銘柄も3つもあります。 さらに、これらは、

・特に高い技術を持っているわけではなく、
・世界のトレンドを変える力があるわけではなく、
・大きな市場を独占する勢いがあるわけではなく、
・マスコミを賑わせる知名度があるわけではなく、
ほとんどがニッチな市場で独自の商売をする非テクノロジー系の内需企業なのです。

 2017年に上がった15銘柄中、10銘柄はなぜここまで上がったのか最新の四季報を見ても不明で、 四季報を超えて詳しく調べる必要がありそうです。

 また、15銘柄のうち昨年の四季報(新春号)を見て買いたくなるのはアイケイ(2722)の1銘柄だけです。 ということは、最新の四季報によって今年2018年に急騰する銘柄は発掘できないのです。

 さらに15銘柄の1年前の時価総額を調べて見ると、ペッパー(3053)の122.8億円が最高でした。 時価総額は15銘柄中13銘柄が100億円未満、7銘柄が50億円未満、4銘柄が25億円未満、 大化けする前のほとんどは小型株の中の小型株のようです。





 今年2018年に化ける銘柄は昨年2017年と同じ傾向になるとは限りません。 大暴落が起きる場合はまったく異なる様相になるでしょう。 しかし、順調に上昇基調をたどる場合はほぼ類似の傾向になると思います。

 そこで昨年2017年の「傾向」を踏まえた今年2018年の「対策」は以下の通り。

①マークする銘柄を小売、卸売、サービスまで広げる。
②特に時価総額が小さな銘柄を重点的に調査する。
③これまでよりも株価の値動きを重要視する。


 





 ※以上は個人的な見解です。株の売買は自己責任で行うようお願いします。






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