16/11/27(SUN) 小田原エンジニアリング(6149)業績推計の試み




1:今12月期の予想EPSは154.2円と推計



 図1のように今12月期の予想EPSは154.2円と推計できます。 これは会社予想106.7円および四季報予想145.3円よりも大きな値です。

 また、株価急落の発端となった今12月期3qの業績不振は、下記の手法であらかじめ推計可能だったことがわかります。 さらに同様の手法で4qの業績を以下で推計しました。



 図1)過去7四半期の業績、および今4qの推計(緑色)

 上図の右端には「前四半期仕掛」の項目(青色)が加えられていますが、 これは後ほど説明します。





2:154.2円の推計根拠



 以下では、図1の数字的根拠を記載します。 まず、図2のように売上を横軸に、営業利益を縦軸にして過去7四半期のデータをプロットします。 そしてその近似線(青点線)を描きます。



   図2)過去7四半期の売上高と営業利益との関係



 上図の近似線は売上が増えれば営業利益が増えるというシンプルな関係を示しています。 直線の左下端からは営業利益の損益分岐点売上は1.900百万円付近であることが分かります。

 図中の二重丸は前3qをプロットしたものです。 売り上げは過去2番目に小さく、営業利益も過去2番目に小さくなっています。 後述しますが、この結果も2q決算の時点である程度推計が可能でした。

 同じく後述しますが、4qの売上は3.200百万円(青十字)と推計できます。 図2によれば、売上3.200百万円における営業利益は350百万円です。



 次に、この売上3.200百万円の推計の根拠について記載します。 図1に記載されている前四半期仕掛額は、バランスシート(B/S)の流動資産の部から抜き出しました。 仕掛(しかかり)額とは、工場で製造している途中にある半製品を評価した金額で、 この額は将来の売上げに直結します。



 図3)過去7四半期の前四半期仕掛額と売上高との関係



 上図の近似線(赤点線)は、前四半期仕掛額が増えると、 当期の売上額が増えるというシンプルな関係を示しています。 同社売上の大半は、見込み生産ではなく受注生産によります。 前四半期に生産に着手した大きな部分が、その四半期の売上げに計上されます。

 図3中、二重丸は前2q末時点における仕掛額と3qの売上高です。 2q末の仕掛額は921百万円と最も小さいことがわかります。 これは、株価急騰の起点となった2q決算発表(今年8月上旬)の時点で、 3qの売上が低迷することは十分に推計可能だったことを示しています。

 一方、3q末仕掛額は、921百万円から1.545百万円へと急増、 過去7四半期のいずれをも超えて過去最高となっています。 図3によれば、 3q末の仕掛額1.545百万円に対する4qの売り上げは約3.200は百万円(赤十字)です。

 ここまでをまとめると、4qの売り上げは3.200は百万円、 それに対する営業利益は350百万円と推計できます。



 ここで図1に戻ります。 経常利益は営業利益に対して過去7四半期平均で+12百万円増えていますので、 営業利益350百万円に対応する経常利益は362百万円となります。

 また、税引利益は経常利益に対して平均-68百万円減っているので、それを差し引くと294百万円になります これはEPS55.8円に当たり、その結果今期のEPSは154.2円と推計可能です。





3:その他の注目するべき要素



・ご存知のように、モーターを動力とするEV、PHVはワールドワイドで息の長いブームに発展しています。 水素エネルギーもモーターを動力としています。

・自動ブレーキやドローン、ロボット、などモーターを動力とするアイテムが急増しています。 モーター専業の日本電産の発展からも分かります。

・地熱・風力発電は逆作用するモーターというべきです。 発電に使うガスタービンも同様です。

・トランプ効果で円高が円安と反転、同社は海外売上げが多いのでかなりのメリットが生じます。

・同社では今期から製品在庫が前期に比べて急減しています。 受注と生産の社内最適化を図ったからと推測できます。



・同社では受注状況が開示されていないので、業績推計は大きな不確実性が伴います。 今回は受注額の代わりに仕掛額を使っています。

・言うまでもありませんが、 予想不可能な特別利益/損失が発生して、利益が大きく上/下ブレする可能性があります。





 ※ 株は自己責任で売り買いしてくださるようお願いします。





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