(04.05.30)
飯坂温泉
仕事と投資で時間に追われる生活が続いているので、両方とも休んで
福島市の飯坂温泉に行ってきました。今回は特に目的を儲けず、スケジュールもなしに
休養だけが目的でした。
写真一段目:一泊した「中村屋」
大正時代に建てられた中村屋はご覧のような古めかしい外観です。
飯坂温泉には中村屋の他にも古い建物が多く、街は鄙びたという言葉がぴったりでした。
中村屋は泊り客の受け入れは限定5組までだそうです。
土曜日曜は数ヶ月先まで予約でいっぱいとのことでしたが、当日は平日だったので、
他に1組のお客さんがいただけでした。
写真二段目:中村屋の内部
この中にトイレと洗面所があります。
中村屋の内部は、タイムマシンで数十年前に連れてこられたか、
あるいはここだけ時間が止まっているような感じでした。
トイレはまさか和式汲み取り式?と一瞬考えましたが、最新のウォッシュレット付き
で安心しました。
写真3段目:鯖湖湯
中村屋の中にも温泉があったのですが、すぐ向かいにも地元では有名な「鯖湖湯」
がありました。朝6時に入る鯖湖湯は格別でした。しかし、お湯は異常に熱く、何でも48℃
ぐらいあるそうで、体がヒリヒリしました。鯖湖湯の男湯には、旅の途中にあの松尾芭蕉も
入ったそうです。女湯には金さん銀さんも来たらしいとのことです。
写真四段目:猫、その他
飯坂は猫が多い街でした。
しかも人になついている猫が多く、散歩しているとあちこちから猫が出てきます。
右の塔はお湯を各温泉に分けるための施設のようです。
でっかい樽が空に見える姿はちょっと異様でした。
写真五段目:蔵
飯坂にはこのような美しい網目模様の蔵を備えた家が沢山ありました。
時間が止まったような旅でした。
(03.08.02)
川崎市
多摩”区”なのに、こんな深い森があるとは想像もしていませんでした。
カラスアゲハ蝶がひらひら飛び、野鳥がさえずりが心地良い水をたっぷり含んだ森の
向うに目的の岡本太郎美術館(画像上)が忽然と現われました。
チケットを切ってもらって中に入ると最初から、赤の洗礼(画像中左)を受けます。
太郎曰く
「私は幼い時から赤が好きだった。赤といっても派手な明るい、陽気な赤でなくて、
血を思わせる激しい赤だ」
「自分の全身を赤に染めたいような衝動。この血の色こそ生命の情感であり、私の
色と感じ続けていた」
美術館はまさに岡本太郎の異次元空間でした。
色と形の圧倒的な洪水でした。(画像右)
「色を使って色を超え、無色の場所に、幻想的な色彩を展開することこそ芸術である」
と太郎は書いています。
ところで音楽の演奏会でも、美術展についても、一緒にいった方に”どうだった?”と尋ねて、
最もガッカリするのは、”心が洗われたよう”あるいは”きれい”といった答えです。
そんな感想を聞かされると、”この人とはもう一緒に演奏会や美術館には行かないだろうな”
と考えてしまいます。
”よく分からなかった”のほうがまだいいと思います。
よい芸術作品で”心が洗われる”とか、”爽やか”、”きれい”なものはほとんど
ないといってよいでしょう。音楽にしても、よい作品は病的、不健全、神経質、不道徳、
不遜あるいはexiciteing、sexy、dangerousといった表現が適切でしょう。
太郎もこう言っています。
「芸術はきれいであってはならない」
「芸術なんて、愛好したり、いい気分で鑑賞したりするものだとは、私は思わない。
作品と鑑賞者の果し合いであり、作品は、猛烈に問題をぶっつけ合う、
いわば決闘場なのだ」
芸術作品は作者の意図があり、それを受けとめる人も別の意図を感じます。
それが一致することもありますが、異なるのが普通でしょう。また、鑑賞する側の置かれている
個人的社会的環境、あるいは精神状態にもそれは左右されてしまいます。
画像左下の絵画『森の掟』を少しだけ私流に解釈してみます。
この絵を知らない方には、左下の画像が小さくてよく分からないと思われますので、
最初に少しだけ説明します。
平和に暮らしていた森に、ある日突如鯨に似た赤い怪物のようなものが空から降ってきました。
体にはファスナーがあり、でっかい目玉と鋭い歯をもつその異形の怪物は、
森の住人を次ぎから次ぎへと食べています。
絵左側の妙な形をした森の平和な住人達は、怪物に食われまいとしてひたすら逃げます。
絵右下の3匹猿は大木の根本にある穴で耳と目を塞いで怪物がおとなしくなるのを待っています。
絵右上のするどい角をもつ白いものだけが怪物に刃向っている様に見えます。
さて、森と怪物は何を意味しているのでしょう?
社会主義の中で平和に暮らしていた中に突然現われた保守反動、
自由主義を脅かす共産主義の脅威、などと政治的に解釈する方もいます。
あるいは、人間として生きていくことの数々の不条理、のように抽象的でもいいでしょうし、
会社のリストラ、株の大暴落のように具体的でもよいでしょう。
このような歓迎せざる出来事がおこると、絵左側の妙な形をした森の平和な住人達のように、
まず逃げようとするのが常套手段です。あるいは、絵右下の3匹猿のように、目立たない場所に隠れ
見ない振りをして怪物がおとなしくなるのを待つでしょうか。
絵右上のするどい角をもつ白いものは、たぶん岡本太郎自身ではないかと思います。
太郎は怪物に鋭い角を向けその弱点を突こうとしています。怪物の弱点はファスナーなのかも知れ
ません。ファスナーを開けば赤い怪物は死ぬかもしれませんが、それは確かではありません。
太郎は不幸な森の住人を救おうといった正義感から赤い怪物に逆らっているのでは
ないでしょう。また、自分が強いから力試しに赤い怪物をやっつけようと思っているのでも
ないでしょう。怪物が憎くて戦いを挑むのでもないし、勝って称賛されたい訳でもないでしょう。
太郎はウルトラマンではないので、怪物を倒すのが仕事でもありません。
太郎にとっては、怪物と孤軍で戦うこと自体が芸術であり、すなわちその戦いは「無目的」
なのでしょう。戦いこそが遊びであり、その瞬間瞬間を生かす道であり、
孤独こそ芸術の本質なのでしょう。戦いに敗れ怪物に食われる可能性もあるわけで、この場合
芸術はいわば命を描けた遊びになります。
こういった文学的な解釈を嫌う方もいますが、それはそれでよいと
思います。純粋に色の配色や構図を楽しむのもよいし、
絵のテクニックを見るのもよいでしょうし、絵を
売るとしたらいったい何円になるだろうか、と予想するのもいいでしょう。
いずれにしても岡本太郎美術館は再度ぜひ訪れたい場所となりました。
また、都内の青山に「岡本太郎記念館」があるので、そこにもぜひ行って
みたいと思います。
かつて中学生の頃から”生きていく目的は何なのだ?”と10年以上悩み抜いて出会った、
「人生は無目的であり、瞬間瞬間に自分を生かせばよい」という太郎の言葉はまさに
目から鱗でした。
(03.07.12)
神保町
神保町に行って来ました。すでに数百回も訪れたことのあるこの街に行くことは、旅とは言えない
かもしれませんが、今回は中古レコードを探す足跡を写真にとって見ました。
JR御茶ノ水駅の水道橋側に出て、スクランブル交差点を向こう側に渡り水道橋の方向に歩いて
1分、”DISK UNION”(写真1段目左)があります。クラシックのLP、CD、DVDが豊富に
揃っています。品揃えは玉石混合ですが、値段付けはとてもリーズナブル、時間と体力が
ある時はこの店でじっくりお宝を探すことにしています。
野村総研のビルを右手に見ながら坂を下り、学生時代によく使った辞典で有名な研究社を通り過ぎて
水道橋駅近くで左折し、資格のTACの前を通りしばらく行くと、”トニイレコード”(写真1段目右)が
あります。ここはジャズとポップスが主で、クラシックはあまりありません。
しかし、1970年代のロックや日本のフォークで盤質がよいものが、300円コーナーにあるなど、値段も
リーズナブル、必ず買いたいLPが見つかる店です。中古品なので、たまに針がまともに通らないLPを
買わされたりするのですが、この店ではそのようなことが一度もありません。
お腹が空いている時は、隣りの牛丼屋から流れて来る香りが気になるところですが、
それは我慢して横断舗道を渡ります。
(レコード捜しは時間との勝負でもあるので、食事はできるだけ短時間で済ませたい。
回転すしか牛丼がお勧め。少しでも待たされる店は敬遠します)
向いに見えるのが、”冨士レコード社”(写真2段目左)です。
この店は3階まであり規模もこの界隈では一番大きいと思われます。(写真2段目右)
一階は歌謡曲、演歌、ジャズ、クラシック等、2回は歌謡曲、ロック、ポップス、クラシック等です。
よく整理されていて、お目当ても盤を捜すのに便利なのですが、平均価格はやや高いような
気がします。
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横断歩道を逆に戻り、先ほどのトニイレコードを右に曲がり、白山通りを神保町方面に向います。
写真はありませんが、途中に昔は”トニイレコード45”、今は”冨士レコード”となっている小さな店が
あります。歌謡曲、フォーク、ニューミュージックのシングルレコード中心です。
靖国通りを向うに渡って交差点を九段方面に渡ります。(写真3段目左)前にみずほ銀行
(旧第一勧銀)、その向いに
東京三菱銀行があります。みずほ銀行は、次のブロックにももう一店舗(旧冨士銀行)あります。
余談ですが、今年の配当の一部はこのみずほ銀行で換金しました。
このブロックの中ほどに”古賀書店”(写真3段目右)があります。
ここが音楽書や楽譜専門の古書店で、毎回のように何か買ってしまいます。
今回も「モーツァルトとの旅」(大島洋、高橋英郎)朝日新聞社刊を買いました。
定価3.800円が2.800円でした。
イタリアに行きたくなりました。
さて、ここで踵を返しUターンします。古書専門店では最も高いビル”古書センター”(写真4段目左)が
あります。ここの9階は”富士レコード古書センター店”です。ここはLPより古いSPが多く
あるのが特徴です。片面3分ほどのSPは今ではとても高価で、安いものでも数千円半ばです。
78回転がかかるプレーヤーも秋葉原に行けばまだ新製品を買うことが出来ます。
LPでは、クラシック、ロック、歌謡曲などが揃っています。クラシックは外国盤が多く、
値段もそれなりになっています。
古書センターの7階にも”新世界レコード”があります。ここは、旧共産圏盤に強く、
あまり聴いたことのない珍しい作曲家、演奏家のLP、CDが揃えてあります。
しかし、共産圏の盤質は悪く、最近ではあまり訪れることはありあせん。
古書センターの9階と7回の間、8階にはあの有名な”芳賀書店”があります。
興味のある方は一度は覗いてみてもよいでしょう。古書センターは下の階にも、
映画のシナリオ屋さん、昔のアイドルポスター屋さん、中国関連の本屋さん等、
妖しげな雰囲気の店が多くて楽しいです。
さて、靖国通りから1つ裏側の狭い道はすずらん通りといいます。
そこに”レコード社”があります。クラシック、歌謡曲など、とても分類が行き届いていて、
お目当てのLPが決まっている場合、捜すのにあまり苦労しません。
値段はやや高めです。(写真4段目右)
靖国通りに戻って三省堂書店の隣にも”冨士”レコードがあります。
CD主体です。通りを明治大学の方に横切ってまもなく、目立たないところに”パパゲーノ”が
あります。ここは前期ロマン派以前、古典派、バロック以前のLP中心で、マニア向けの結構
高価なものが多い様です。ここの店主は非常に博識です。
近くに”マーブル・レコード”があります。ロックのブートレックが充実しています。
さらにお茶の水駅の方に向うと、
”DISK UNIN JAZZ店”があります。
さらに駅の通りには”DISK UNIN ROCK店”もあります。
この行程で途中古本屋にも何軒か寄れば、約10.000歩以上歩くことが出来ます。
最後は、駅前の狭い中道にある、”画廊喫茶ミロ”という古くて汚いけれど、妙に落ちつく店で、
ウインナ・コーヒーでもすすりながら、その日の収穫を確かめます。
駅で買った株式新聞を読むには、店の灯は暗すぎます。
まだ体力がありかつ資金に余裕がある場合は、このまま日立製作所本社の坂を下って、
歩いて秋葉原に行く事もあります。
石丸電気の”ソフトONE”(新譜のみ)、”レコファン”等によく行きます。こうなると20.000歩
コースです。
ずっと若かったころは、このコースを二周したものでした。一回目は、目星をつけるだけで買いは
行いません。同じレコードが店によって倍も値段が異なったりするので、
値段を比べ予算と相談しながら二回目に買いました。
一日に70.000歩も歩いたこともありました。(FLは学生時代陸上競技をやっていて、
一日20km走るのは当たり前でしたので、人並み以上の体力はありました)
しかし今はそんな体力も気力もなく、欲しいものはすぐに買うようにしています。
買う資金より聴く時間の方が足りないからです。余りに多く買いすぎ、歩行が困難になりそうな場合は、
途中から宅急便で送ります。ほとんどの中古レコード店で実費でやってくれます。