mail to こざらし2

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(07/01/13)

”LOVE” さん:


Q:復活された”GAIN”に、銘柄選択に短期的視点(買いの場合) とありましたが、長期投資は諦めたのでしょうか? 私はこざらし2さんが、推薦してくださったマイクロニクス やトプコンなどまだ持っています。
こざらし2さんのハイテク銘柄で失敗したのはジオマテック ですが、4年近くも長期投資していて、トータルでは儲けのほうが ずっと多いです。





A:日本マイクロ(6871)やトプコン(7732)を4年も長期投資、 うーん、まいりました。 ”LOVE” さんおめでとうございます。



 日本マイクロは、フラッシュメモリなど用途の、プローブカードが絶好調、 韓国サムソンなどに輸出して現在もしこたま儲かっています。 株価も4年で22倍になりました。
 トプコン(7732)もすごいです。 エレクトロニクス、医療用の測定器が好調です。 会社の実験室でトプコンの輝度計を見るたびに、分割前で540円(分割考慮270円) 3.000株買い、650円(325円)売りを思い出します。

 結果的にはずっとHOLDしていた ”LOVE” さんが勝ちで、 すぐに利食いしてしまった私の負けです。 しかし、最近になって私は長期投資が本当に儲かるのか、 いろんなケースでシュミレーションを行いました。その 結果の一部を以下に記します。(”LOVE” さんのメールを話の肴にさせて もらいました)





 シュミレーションを行う場合、「どの銘柄をいつからいつの時点まで 長期でHOLDしたことにするか」が一番問題になります。 その選び方によって、「長期投資は効率的」あるいは「長期投資は非効率的」 のどちらの結論も、恣意的に導くことが出来ます。よくあるのが、 「1960年代にソニーに投資していれば、今は何千倍…」という話などです。 これなどは典型的な後だしジャンケン、何の参考にもなりません。 あの頃、ソニーの他にも有望なベンチャーが星の如くあって、 ソニーが飛びぬけて有望だと見抜けるケースは少ないのでしょう。

 また、バフェット流のキャッシュフローや利益の分析による 長期投資に値する有望銘柄の発掘にも、それなりの説得力はあります。 しかし、あの方法は米国が10年以上にもわたって成長を維持した、という前提が あってはじめて有効になります。 いくらバフェットでも、「1989年から日本株を15年長期HOLDして、 財産を築いてください」とい条件の元では成すすべがなかった のでしょう。



 さて、私は2003年中ごろからしばらくの間、”TARGET”厳選33銘柄の他に、 小型ハイテク7銘柄を特別監視銘柄としていました。 当時はすでに利食い売りしてしまったものの、「もし」ずっとHOLDしたら どうなるのだろう、という意図を込めて監視していたのです。

 今回はこの7銘柄のうち、上場する市場が変わって長期のチャートが得られない アルメディオ(7859)を除く6銘柄に関してシュミレーションを行い ました。その6銘柄とは、”LOVE” さん失敗したという ジオマッテック(6907)、倉元製作所(5216)、芝浦メカトロ(6590)、 光波(6876)、タカノ(7885)、トッキ(9813)です。



 まず、ガラス加工の2社、ジオマテック(6907)、倉元製作所(5216)は ずっとHOLDしていたら、大変なことになっています。 「行って来いどころか、大幅なマイナス」と書きました。
液晶などのガラス基板への成膜加工はあの頃はこの2社のような専業メーカーに 外注されていました。しかしやがて大手ガラスメーカーが自ら成膜加工を行う ようになったり、液晶パネルメーカーがこの工程を内製化するようになり ました。

 倉元製作所(5216)は2004年には儲からなくなり、 やや技術力のあるジオマテック(6907)も2005年には儲からなくなります。 しかし、この両者ともに財務体質が強いので、業績不振の今こそ長期投資の よいタイミングなのかも知れません。





 芝浦メカトロ(6590)も以前300円弱で買い、400円ちょっとで手放してしまいました。 株価はほぼ「行って来い」ですが、まだ4年前の2倍です。
昨年前半まで液晶製造装置が韓国や台湾に売れに売れ、業績は絶好調でした。 しかし、液晶やプラズマの価格競争激化とともに、次第に利益率が落ちる ようになってきました。

 光波(6876)はLED(発光ダイオード)の応用部品の競争が激しく、 利益率低下に悩まされています。 「行って来いどころか、大幅なマイナス」です。





 液晶のカラーフィルタ検査装置などを得意とするタカノ(7885)は、 つい最近まで高水準の利益を手にしていました。 しかし、芝浦メカトロと同じ理由でやはり儲からなくなりました。 ただし、ここは全く畑違いのエクステリアも手がけていて、 それが全体的な利益を安定させています。

 株価は「行って来い」ですが、4年前よりはまだかなり高いです。 私は4年前ここを当時のほぼ底値の720円で買っています。 バツグンのタイミングですね。売りは784円です。^^;

 最後にトッキ(9813)です。 ここは有機EL製造装置で成長しました。 しかし、肝心の有機ELそのものが期待通りに成長しませんでした。 株価は「行って来い」です。







 結果として、6銘柄中4銘柄で長期投資は失敗、残る2銘柄も株価は2倍にも なっていません。トータルでもマイナスです。 少なくてもこの4年間は小型ハイテクに関しての長期投資は失敗に終る可能性 が高かったと思います。ここに長期投資のリスクの高さが現れています。 (この4年間で、利益がない投資家は、多分もう当分儲けられない 投資家なのでしょう。なぜなら、株式投資にとってこんなにも良い 環境が続くことは、今後はほぼありえないからです。) 少なくても、無条件に長くHOLDする、という投資法は避けるべきなので しょう。

 最後の結論としては、初めから意図した長期投資はリスクが高い、ということになります。 ほとんど調整なしで持続的に株価が上昇場合だけ、結果的に長期投資に なる場合だけは長期投資が有効であると思います。 私の場合、ゴールド(金)への投資がそれにあたります。 買ってからすでに5年近く、一度も利食い売りしていません。 その間、ゴールドの価格は2倍以上です。しかし、その間の株式資産の上昇は2倍を超えて います。今のやりかたも悪くはないと思います。  





その他、
斉藤 ケイ子 さん、大竹直樹さん、チャコさん、にーちゃんさん、 為替バカさん、フィナンシャルメディアさん、田中 伸さん、Tatsuhiro Nishio さん、 ハッタリ小僧さん、頴川 功さん、amiさん、北海道人 daisukeさん、 金谷さん、ラムタラさん、webmaster さん、 魑魅魍魎さん、長島さん、IMIさん、道頓堀さん、サイケさん、 GGGさん、砂糖さん、MOZARTIANさん、柴さん、 などこの半年多数の方からメールをいただきました。 お返事できない場合もありました。済みませんでした。




(06/05/06)

株を始めて半年 さん:


Q:資金100万円の株初心者です。昨年から今年始めにかけて倍ぐらいになったのですが、 今は含み損失を抱えて時価105万円になってしまいました。 こざらし2さんは、1997年から資産が増える一方なのですが、それ以前は どうだったのですか?株初心者のころはどうだったんですか?





A:私が株式投資をはじめたのは1992年の12月のことです。 当時は取引がもっとも不活発な時期で、東証1部一日の出来高が わずか2億株程度でした。20億株が普通になった現在からでは、 考えられないほど薄商いです。1990年のバブル崩壊の影響が大きかった のですね。

 また当時は、株取引にかかるコストがとても大きくて(取引額の3%以上)、 回転売買など出来ない環境でした。株は一度買ったら数ヶ月 (それでも短期売買と言われました)はHOLDするのが 個人投資家の常識でした。信用取引を行うには2.000万円もの資金が必要 で、初心者にはとても及びませんでした。



 さて私は株を始めて最初の2年半(1992/12-1995/4)で合わせて15回の 株取引を行いました。首尾よく利食い出来たのはそのうち13回、そして損が2回、 合わせて13勝2敗でした。 この数字だけからは大儲けのように思われるかもしれませんが、 なんとトータルでは損をしたのです。

@住友鉱山(5713)1.000株 660円買、900円売  +209.308円
A森永製菓(2201)1.000株 540円買、676円売  +112.294円
B富山化学(4518)1.000株 620円買、728円売  + 82.061円
CCSK(9737)  200株 2.680円買、3.330円売 +106.591円
Dセガ(7964)  100株 9.900円買、10.900円売 + 60.910円
Eデジタル(6935)100株 3.800円買、4.390円売 + 43.078円
Fニチアス(5393)1.000株 440円買、 477円売 + 19.939円
G新日本証(8606)1.000株 610円買、 690円売 + 55.117円
H東洋紡(3101) 1.000株 434買、  474円売 + 21.594円
ICSK(9737)  100株 2.550円買、3.250円売 + 60.857円
JCSK(9737)  100株 2.340円買、3.250円売 + 81.250円
K第一パン(2215)1.000株 500円買、 600円売 + 79.171円
L第一パン(2215)1.000株 559円買、 630円売 + 48.728円



 このように、株を初めていきなり13回連続で勝つことが来ました。 利益は100万円(当時はすごい儲けだと思いました)を超えました。 いわゆるビギナーズラックというやつです。 当時は日経新聞もとっておらず、前日の米国市場もチェックせず、 為替やGLOBEXも知る手段がありませんでした。 またチャートブックの存在も知らなかったので、 チャートは手書でした。銘柄の選択もほとんど根拠がありませんでした。 よくもまあ、これで大切なお金を市場にゆだねられた と思います。博打ですね。

 また、当時は儲かるまで株を売らないの方針でした。 一定の損が出た時点で「ロスカット」するのがよいことすら知りませんでした。 したがって含み損がある銘柄は放置していました。 しかし、やがて猛烈な円高が始まり輸出比率の大きなYEデータがすごい勢いで 下げ、また大東建託には経営不安説が流布されました。これはたまらない、 ゼロになるよりはましと、ついにこの2銘柄の損失を 確定するハメになりました。

MYEデータ(6950)2.000株 650円買、 489円売 -361.794円
N大東建託(1878)300株 3.160円買、 860円売 -715.143円



 この大失敗によって、13連勝で得た利益が軽く飛んでしまいました。 しかし、私はこの失敗を以後に生かすことは出来ませんでした。 詳しくは記しませんが、1996年の株高で私はまた+250%/年ぐらいの利益を得て、 その儲けを1997年にほとんど無くしてしまいました。 「株が上がっている時には儲かり、下がっているときには損をする」、それは どの初心者も一度(私は二度も)は通る道でした。

 1997年に自宅にインターネットを引きました。当時はダイヤルアップ回線で、 電話と同じく3分間で10円の接続料がかかりました。しかし、インターネットに よって「情報こそ利益の泉源である」ことを私は知りました。以後、 株式資産は”KEIKA”になるように、ほぼ一方的な右上がりになりました。

 2000年から2003年の3年にわたる下げ相場も耐え抜きました。 その間、ITバブル崩壊、米国同時多発テロ、金融不安、デフレスパイラルと、 少しでも判断を間違えばスッテンテンになる可能性もあったのですが、なんとか 生き残って現在に至っているのはご存知の通りです。



 さて、現在は2003年5月からの上昇局面の途中であり、この3年間では 個人投資家の90%以上の方は儲かっているはずです。 この3年間は調整らしい調整が一度もなく(一昨年と昨年5月の下げは調整のうちに はいらないと思います)、儲からない個人投資家の方がおかしいのです。

 しかし、「いつか」は本当の調整が必ず来るでしょう。 その時に個人投資家の本当の力が試されます。数回の株価のアップダウンを経て、 なお市場で生き残り利益を確保できるのは投資家のわずか10%に 過ぎない、とよく言われるとおりになると思います。

 別に脅かすわけではありませんが、株を始めて半年さんも、それが現実である ということだけは知っていてください。 しかし、株の世界ほど誰にも平等にチャンスが与えられているのも少ないと思います。 誰にでも勝つチャンスはあるし、何歳でもいつからからでも参加できる、 そんな世界は滅多にありません。がんばりましょう。



その他、
川口 真人 さん、NH さん、イチ経理屋 さん、 かおりさん、ABA-Arai さん、4beat♪ さん、 Kaoru Yoshida さん、YAMAMOTO Hiroshi さん、 林 賢一 さん、 shimada さん、 Officer さん、坂田 山吉 さん、Hiromasa Ohmori さん、isika rintarou さん、 O J さん、斉藤行雄 さん、may516 さん、大矢勝吾 さん、おおざらし さん、 烏 さん、イノ子 さん、akiarusa さん、 Shigeki Nodaさん、Nick Nick さん、masato tanaka さん、1 さん、master さん、 Hisashi Inoue さん、 佐藤 さん、yosizato さん、 もきゅ さん、 倫子 さん、柴原さん、などこの1年半多数の方からメールをいただきました。 お返事できない場合もありました。済みませんでした。