mail to FL

メール等でお寄せになった情報は、送信者にお断りなしで オープンにする場合があります。もしオープンにされたくない情報でしたら あらかじめその旨を記載下さい。


(04/03/19)

 ネット上にサイトをおいて公開するようになってからずいぶん時間が過ぎました。 この間、色々な方から様々なメールをいただきました。 暖かい励ましの言葉や貴重な情報等はたいへんありがたく読ませてもらいます。

 しかし、中には考え違いをしているとしか思えない方も時々見受けられます。 一言でいえば「自己責任」を理解していない方々等です。どんな団体あるいは個人がある 銘柄を推薦しようと、それが信頼しうる情報であると考え、またその銘柄を買うかどうか 決めるのは個人投資家自身である、といった基本的な事柄を理解していない情けない方が 少数ですが存在します。残念なことです。

 投資行動の際はどんな場合でも人の話を鵜呑みにしないで、出来る限り調査をし 自分自身の価値基準を持って 判断してください。情報をもたらした人を恨むような投資行動をとっていては、 いつまでたっても力がつきません。

 投資を行う上での価値基準は人(総資金量、含み損益、投資姿勢、力量、年齢など)によって 全て異なるのです。他人ががよいと判断しても別の人にはよくない場合も多々あるのです。 リスク許容度も人によって違います。具体的な数字をあげてみましょう。

 例えば現在、ややリスクのある赤坂鉄工(6022)を12.000株、SL値よりやや下でHOLD しています。 FLは現在リスク許容度が比較的大きく、万が一(あり得ないでしょうが)6022が突然半分の 値段になったとしても全体としての影響は軽微で、株式資産は今週の月曜(15日)にあった 額よりもまだ多いです。 ですから、将来の大幅値上がりのチャンスを失わないように、6022をHOLDを続ける方を 選んでいます。

 しかし、例えば資産2.000千円の投資家にとって12.000株の6022が半分になるリスクは、 資産の40%を失うリスクであり、これはかなり致命的で決して容認できるものではありません。 ですから、将来はかなり有望であるといった銘柄情報にばかり気を取られないで、 自分がいまどの程度のリスクを取れるのかしっかり把握した上で、 投資行動を取るようにするべきです。



 では、投資行動を行う際はどんなことを調べるのでしょうか? これは個人投資家によって様々でしょう。 FLはファンダメンタルズ重視で投資行動を行っています。 株を買う上で最低限やることは、その企業および同業者の直近の決算短信 (B/S、P/L、C/F含む)を読むことです。中期計画や過去の決算短信も読み込むことが あります。

 また、業界団体や役所から発表されている種々の統計もダウンロードし、 その数字を基にグラフ等を作成し、買いたい銘柄が属している業界の傾向をつかもうとします。 また職場にある専門誌には一般には知られていあいことが掲載されることも多いので、 これも貴重な情報となります。

 一方、チャートは簡単に眺める程度です。短期的に買われすぎていないこと、 長期的には下り坂ではないことを確認します。また、書店で株式投資に関する雑誌をたまに パラパラめくります。これから買おうとしている銘柄をまだ「誰も推薦していない」 ことを確認するためです。

 そうした過去のデータ分析の他に、街を歩けば投資のヒントが溢れています。 電気街にはデジタル家電の、住宅街にはマンションの、港には船の・・・ あるいは異なる業界に属する(リアルの、ネット上の)友人の様子を聞くのもいいかもしれません。 その業界ではあたりまえでも外部の人には全然知られていない話は結構多い ものです。



 株式投資はこの世界全体を対象とした、最も知的な大人のゲームです。 投資を行うことで、この世界のすべてが自分と係わり合いをもってきます。 株価は森羅万象を織り込みつつ変化するからです。そして見えない未来を推測し、 推測に基づいて行動し、現実に基づいて訂正してさらにチャレンジする・・・ すべての結果は判断を下した投資家が自己責任で負うのです。甘い果実も地獄の苦しみも。


(03/01/27)

@K県のTAさん(抜粋)

 今日は、参考になるのかわかりませんが、 新しいディスプレーの情報をお知らせします。

 これは、K市のNPと言う会社が開発したプロジェクターようの パネルですが、アクリル製で画面は、PDPや、液晶に負けない 鮮明なものです。おおきさも、100インチ以上のものを見てきました。

この会社自体は、株式公開しておりません。 投資の面で、どのように活用していいのか、 わかりませんが、10万円台のチュウナーつきのプロジェクターと セットで売り出すと、PDPなどは、太刀打ちできないと思います。

 ちなみに、パネルは、厚さ3,4センチで、メカは、何もついていません。 今、K県の銀行で店頭にて、試験的に飾っていますが、日中でも十分な、 輝度をもっています。

(FLのコメント)
 お話によると、ディスプレイとしての性能は相当のものと思います。 もし、画面に継ぎ目なしで自己発光、大きさが100インチ、厚さ数cmならば、 これは相当な技術です。

 しかし、このディスプレイがPDPや液晶よりも決定的に優れているとしても、 今すぐに市場で大きな地位を占めることはないと思います。

 試作品ができた時点から、ひとつの新技術が育って市場を形成するにはどんなに早くても5年、 普通なら10年以上はかかります。新ディスプレイを構成する部品、材料、半導体、生産設備 メーカーとの協力体制を築き、設計、生産、流通、販売のための資本を調達し、 また知的所有権の問題のクリアし…。ですので、株式市場では少なくてもあと5年は この新ディスプレイがPDP関連銘柄へ影響することはないと思いますが、これ自体は 夢のあるお話ではあります。



Aken_imacさん(日本車輛-抜粋)、Officer さん(沢井製薬-抜粋)

 いつもHPを拝見させていただいております。 26日付けのFLさんのコメントで「日本車輛」について 買う必要がないとありましたが、そちらについて 伺いたく、メールいたしました。

 当方は、取りあえず「数千株」だけ保有しています。 期末の配当があることと、先日来の「台湾新幹線」、 未定の「中国新幹線」のことがあるからです。 250円くらいの見込みがあっても良いような気がしますが・・・


 FLさんの厳選33銘柄のうち沢井製薬ですが、ご存知かもしれませんが、この銘柄 は東証1部への昇格条件を満たしたことにより、昇格期待で値が釣り上がってきて、 今ちょっと一服押目をつけている状態です。 2月になれば今回昇格したチヨダや富士エレクトロニクスから乗り換える動きが出て くると思うのでまた上がり始めると思います。

(FLのコメント)
 あのコメントは日本車輛(7102)が将来性がないから買うなと申し上げているものではなりません。それどころか新幹線車輛関連は川崎重工(7012)等とともに、オールドニッポン復活の象徴だとも 思っています。

 ただFLは車輛の知識がほとんどなく、また一般報道以上の情報を得るチャネルも持っていません。 例えば日本の企業グループが中国の北京-上海の新幹線を、ドイツを破って受注できたとしても、 それがいったい日本車輛およびその関連企業にどのぐらいに利益をもたらすのかまったく 推測できないのです。また、中国との交渉がどう進んでいるのか、報道に先駆けて教えてくれる 知人も持っていません。

 ですから、ハイテクのようによく分かる業界の株を買ってはいけない昨年後半のような時期には 、仕方がないので分からない業界に手を出しました。この場合、ファンダメンタルズがよく 分からないのでチャートを頼りとします。しかし、現在はやっと分かる業界の株を買ってよい 時期になってきましたので、よく分からない日本車輛(7102)には手を出さなくてもよくなった、 というのが先日のコメントでした。


 沢井製薬(4555)ですが、薬のコストを下げるため、国が後発薬品の使用を推奨しています。 こっちの方は色々調べる手段は少し持っていますが、基本的には日本車輛と同じようにFLは 部外者ですので、あまり深入りはしません。沢井が他の後発とどう違うのかと問われても、 報道されている以上の回答はできません。その程度です。



Bなたろうさん(抜粋)

 12年秋にレーザーテックを4000株買いました。買った理由は、無借 金、安定している利益に加え、あすかプロジェクト(私は詳しく知りませんが)に関 連してそうなこと、中途採用者が多く、技術者のレベル(給料)が高そうであったこ とです。

レーザーテックで気になるところは、中途採用をやめ、新卒を若干名にしたことで す。これは、開発重視から安定軌道に乗ったということであまり気にすることではな いかもしれませんが。 当時は、かなり思い切った投資でしたが、おかげさまで運良く利益を得ることができ ました。

(FLのコメント)
 おめでとうございます。大きな利益ですね。レーザーテック、二年前は確か1.200円ぐらいまで 下がっていましたね。現在は3.000円近くで、1.000株単位なので買えませんが、 将来性はバツグンであると思います。何故なら、液晶パネルが大型になればなるほど、 歩留まりに対する見方がシビアになるからです。事業の収益が歩留まり如何で大きく 左右されるようになり、レーザリペア装置がますます活躍するようになるでしょう。

 あすかプロ関連ですが、レーザーテックは最先端の70nmデザインルールの半導体デバイスに 対応するための位相シフト量測定装置を量産化しています。レザーテック、100株単位でしたら、 今の値段でも買いたい銘柄ですね。



 その他、”masao”さん、”宮本小次郎”さん、”イクテック”さん、”鈴木かおり”さん、 メールありがとうございました。


(03/01/11)

 昨年12月23日”TODAY”での疑問:

”武者さんの主張は「利益期待が小さくなったから株価が上がる」と逆説的に思える主張をしています。 FLにはどうもこの理由がわかりません”
に対して、浦島太郎右衛門(面白い名前ですね) さんから以下のようなお答えがありましたので、原文のまま紹介 します。浦島太郎右衛門さん、ありがとうございました。



 ものすごく簡単に言えば

 武者さんの 「利益期待が小さくなった」 を言いかえると 「投資家が会社へ期待する(要求する)利益(収益)が少なく なった」 「投資家マインドが変化し、株式への過剰期待(高成長)が無 くなってきた」 だと思います。

 (例ですが) 今まで株価収益率5%を要求する投資家がPER20で買って いたとしたら、 要求する株価収益率を4%に落とせばPER25まで買うこと が出来る。 従って株価が25%上がることになる。・・・となります。

 「株式への期待がなくなれば、株式は売られる」と言う世間一 般の 常識とは矛盾するような表現となっていますが、10年におよ ぶ不況 で日本人が現状を受け入れるようなマインドに変化している と言うメッセージがあると思います。

 武者さんは最近配当利回りとか債権利回りとも比較をして、 他のものに比べて日本株の利回りは有利になっているという風 な事を 良く言ってますし、 また日経平均の下値めどとして、投資家の期待収益率に一致す るまで 日経平均は下がるいう風な事も言ってましたから、 この解釈で間違いないと思います。

 それとキャッシュフローの多い、ディフェンシブな銘柄を買え とも言ってますね。 これらの考え方の背景にはデフレ、世界不況で経済成長は見込 めず、 金利も当分上がらないとの予測があると思います。

 「投資家が会社に期待をしなければ多少PERが高くても買え る」 というのと 「高成長が期待できるから高PERでも買いあがる」 は似ていますが裏付理論は違うのですね。

 もう少しうまく書けると思っていたのですが、うまく書く のは難しいものですね。 FLさんなら分ってもらえるかなと言う感じです。 この解釈が正しいかどうかは武者さんに聞いてみないと分りま せんが、 正しいかどうかよりも、納得出来るかどうかだと思います。



※”名古屋に住む中野”さん、ESSAY(エッセイとは言えないのですが)に対する感想 ありがとうございました。”ant”さん、応援メッセージありがとうございます。”komi3263”さん、 間違いのご指摘ありがとうございます。

 その他、”49歳の中年”さん、”三井住友ファン”さん、”#ぎみ”さん、”sirry”さん、 ”ビックベン”さん、”14万円のSBまだ持ってる”さん、”長嶋”さん、”大木正興”さん、 ”宇野攻防”さん、”daisuke”さん、メールありがとうございました。


(02/09/29)

※ 「一ファン」さん、大舘 聡 さん、Kazuki Kabu さん、Mituo Morinoさん、komi3263さん、奈緒美さん、 eiko さん、exocetさん、倫子さん、五十嵐 光栄 さん、恭子さん、Shigeru Yamasaki さん、 主婦さん、金沢文子さん、北幅龍一さん、柴犬さん、しらざこさん、「多摩ちゃん」さん、 yosienさん、金さん、mintoさん、「聖子&さやか」さん、松村 大輔さん、田中大さん、宗一さん、 パンギンさん、朝倉さん、
励ましや、アドバイスのメールありがとうございました。

 すべての方にお返事は差し上げられないとは思いますが、励ましやアドバイス、普通は手に入らない 業界独自の情報は歓迎します。個別銘柄に関する質問などは、FLがたまたまその銘柄に 興味を持っていないかぎり、お答えできません。悪しからず。



先日、某株式投資サイトのオフ会に参加しました。個人投資家のみなさんの生の声を聞いて、 大変参考になり、また励みにもなりました。Financial Literacyのオフ会、する予定 はありませんか?(齋藤かおるさんから:02/09/29)


 Financial Literacyが始ってちょうど3ヶ月、まだ何の実績もなく、オフ会どころではありません。 資産が100.000千円ぐらいになったら、儲かったみんなでお祝いしましょう。その時までは、日本経済の 力強い復活を信じ、精一杯頑張りましょう。


6481 THKについて、2.300円から買い下がっているのですがこの弱さは なんなのでしょうか。外資では、強気のところがおおいのですが。 いままでとは様子が違い、不安です。(宮下さんから:02/09/12)


  個別銘柄に関するメールには(時間がなくて)答えないことにしています。 が、ちょうど半導体銘柄の今後に関して考えていましたので、FLの考えを記します。

 SIAによると、2002.7月の全半導体の売上げは117億ドル、昨年の108億ドルから 前年対比8%の上昇を示したようです。6月の114億ドルからも若干ながら上向きました。

 回復の要因はデジタル家電が中心で、DVD、ゲーム、デジカメが寄与し、PC需要は弱いようです。 携帯電話は回復しました。地域別では、日本を除くアジア諸国の回復が早く、 昨年同期比で37%の上昇となったようです。

 全体としてはまずまずの回復を示している半導体産業ですが、株価の方はさえない動きに なっています。何故でしょうか?


 例えばTHK(6481)です。一年前、1.153円で底打ちして今春にはほぼ2.5倍の3.000を目前に失速しました。現在は2.000円を大きく割りこみ依然下降傾向です。

 同社はリニアシステムで世界シェアの半分を占めています。設備投資関連のニッチな 分野で他社がマネできない高い技術をもっています。株価の振幅も比較的大きく、 シリコンサイクルの底で買い、ピークで売ると収穫も大きくFLが最も好むタイプです。

 同社のBPSは869円ですので株価が1.000円から5.000円ぐらいの間で動くのは過去の日本の株価としては、リーズナブルでした。(店頭時代の40.000円はバブル、 その反動で600円台になりました)


 しかし、日本株のPERは国際水準(米国水準)に近付きつつあり、半導体等は通常15倍、 成長企業でも30倍にはならない程度に落ち着くでしょう。

 6481のEPSはITバブル時で約120円で した。もうあんなことはないでしょうから今後のシリコンサイクルのピーク でもEPS100円以上にはならないでしょう。とすれば、株価は今後PER30倍の3.000円以上に はならないことになります。今期ほとんど利益が出ないことを勘案すればモノサシはBPSで、 現在でもそれは2倍以上、まだ割高かもしれません。


 今期予想PERが大きく、まだPBRが1.0以上となっている銘柄は、 たとえチャート的に下値と言える価格になっていても、危険ではないかと思います。

 例えばNEC(6701)です。同社はバブル崩壊後601円をつけチャートからは 現在はそこに続く2点底と読めます。しかし、6701のBPSは300円台で、 PERは計算するまでもなく割高です。

 株価のモノサシが変わりつつある以上、今後チャート的に底割れ銘柄が続出すると思われます。 下値はBPR1.0(デフレで固定資産の評価価格が下がっているので0.75倍ぐらいにした方が いいのかもしれません)をメドとし、上値はPER30倍がメドとなりそうです。

 他の例としては、TARGETSにある、栗田(6370)です。6370は財務内容がよく、 いくら業績が悪くても長年1.150円を割らない銘柄でしたが、今回底割れししかる べき水準まで下げようとしています。 以前注目していた荏原(6361)も先にチャート的に底割れし、BPS1.0に向かって下落して います。

 今後しばらくは半導体を含むハイテクといえども、PER、PBRのメドを大きく外れる 株価をつけることはないと思います。時代は変わりつつあります。